脱炭素化支援機構は、国の財政投融資からの出資と民間からの出資からなる資本金を活用して、
脱炭素に資する多種多様な事業に対する資金供給(ファンド事業)などの活動を行う株式会社です。
多様な主体がもつ資金・知恵・人財の強みを引き出し、2050年カーボンニュートラルに挑戦する、より大きな取組を生み出すことで、
豊かで持続可能な未来づくりに貢献します。
Scheme
カーボンニュートラルを目指す事業者の皆さまへ。
カーボンニュートラルを目指す事業者の皆さまへ。
脱炭素を新たな成長機会と考える事業者様のために、
JICNはカーボンニュートラルの実現に貢献する
多種多様な領域・形態の事業に資金を供給します。
投資規程の概要などについてはこちらからご覧ください。
Contents
活動・機能の全体像
投資判断の要素
投融資活動は、以下の1から4の項目を全て満たすこととされており、
具体的には、それぞれ、(1)から(4)の各項目に記載している説明内容のとおり、
その評価結果を総合的に勘案して投融資の決定を行います。
支援基準の適用(投資規程第2条)
政策的意義
- ①温室効果ガス排出量の削減・吸収等を可能な限り定量的に評価 ※中長期的に脱炭素社会への移行を促すものである場合には、我が国のトランジション関連政策との適合性を確認します。
- ②社会経済の発展や地方創生への貢献等
- ・事業の実施地域の社会経済の課題解決に貢献する事業
- ・地域脱炭素のロールモデルになりうる事業
- ・新技術・新ビジネスモデルの普及に資する事業
- ・我が国技術・企業の海外市場への展開に資する事業
- ・脱炭素に加え生物多様性や資源循環等環境保全上の効果が大きい事業
※上記事業は、限定ではなく例示です。
民間事業者等のイニシアチブ
脱炭素化支援機構からの
出資額以上の出資を民間事業者等から得ることなど
収益性の確保
事業の様々なリスクも踏まえ
事業性を評価など
地域における合意形成、
環境の保全及び安全性の確保
必要に応じて担当者及び外部専門家が
地域の状況を的確に把握して判断など
支援対象となる事業領域
- ※複数の領域に当てはまるものもあり得ます。
- ※あくまでも例示であり、限定列挙しているものではありません。
- ※分類自体は、今後の活動に合わせて見直していく可能性があります。
分類 | 分類記号 | 例 | |
---|---|---|---|
分類 エネルギー転換部門 | 分類記号、例 | 燃料 | 水素、アンモニア、メタン、SAF、e-fuel、ブラックペレット |
発電(再エネ) | 太陽光、風力、バイオマス、地熱、水力、廃棄物 | ||
発電(再エネ以外) | トランジション(火力発電のバイオマス・アンモニア等の混焼、燃料電池等)、エナジーハーベスト | ||
蓄エネ・熱利用 | 蓄電池、CAES、地中熱、熱供給、未利用熱利用 | ||
送配電 | スマートグリッド、慣性力確保、HVDC | ||
ものづくり・産業 | 素材・原材料 | 新素材、バイオ素材、省エネ建材 | |
産業プロセス | 製鉄、化学、セメント、製紙、ガラス | ||
機器製造・ デバイス製造 |
再エネ・省エネ・蓄エネ機器製造、ノンフロン機器、 パワーデバイス、IoTデバイス |
||
建物・施設 | ZEB/ZEH、業務施設(オフィス・物流施設等)の省エネ | ||
農業・林業・水産業 | スーパー植物、垂直農法、オルタナティブフード、森林整備、養殖 | ||
サービス・運用・データ | 運輸・モビリティ | EV(陸・海・空)、鉄道、MaaS、空港・港湾整備、物流効率化、コールドチェーン構築 | |
エネルギーマネジメント | 省エネ・蓄エネ、ERAB、DR、VPP、DER、HEMS・BEMS・FEMS・CEMS | ||
データ・DX | AI、デジタルツイン、行動変容勧奨、GHG排出量算定・可視化 | ||
金融・保険 | 脱炭素関連フィンテックサービス | ||
排出権・クレジット | クレジット取引、認証・検証 | ||
資源循環・レジリエンス向上 | リユース・リサイクル・アップサイクル |
PV・バッテリー等のリサイクル、ボトルtoボトル、 サステナブルファッション、食品ロス対策 |
|
レジリエンス向上 | 水ストレス対応、Eco-DRR、オフグリッド、マイクログリッド | ||
吸収量増大・炭素回収利用貯留 | 吸収源対策 | 森林、海洋(ブルーカーボン)、農地(土壌改良) | |
炭素回収・利用・貯留 | CCS、BECCS、CCU、DAC | ||
その他 | その他 | - |
分類 | 分類記号 | 例 | |
---|---|---|---|
ファンド | - | - |
支援対象となる
事業段階・資金使途
脱炭素化支援機構の支援対象となる事業段階・資金使途としては、主として、いわゆる開発段階の後期以降を想定しています。
プロジェクトへのファイナンスの場合
- ※新規開発だけではなく、既存設備・施設の脱炭素化型へのリノベーション・転換も対象になり得ます。
- ※リファイナンス(事業等の継続を前提に行う借入金の組み換え・借り換え等)のための資金需要についても、対象になり得ます。
ベンチャー企業等へのコーポレートファイナンスの場合
ベンチャーへの出資等。脱炭素に資するその他の投資対象への支援も可能です。
- ※上記に加えて、他のファンドを通して間接的な形態で本機構の投資先のファンドから支援を行う形態も可能です。
資金供給形態
事業リスクや事業者のファイナンスニーズに応じて、優先株・劣後ローン・劣後債等のメザニンファイナンスに加え、
普通株等の出資など、適切な資金供給形態を選択しています。
資金を受ける事業者の主な形態
- ・脱炭素事業を、企業本体から切り出して特別目的会社(SPC)を設立する際のプロジェクトファイナンス
- ・脱炭素事業を運営するベンチャー企業や単一事業を運営する企業へのコーポレートファイナンス
脱炭素化事業の資本構成
- ※上記は、SPCに対する資金提供イメージとなっておりますが、本機構はコーポレートファイナンスに応じることも可能です。
- ※この図は、JICNの役割のイメージをつかんでいただくために、様々な事業に一般共通する資金構造を模式化したものです。
実際の資金構造やJICNからの資金供給形態は、個々の事業ごとに、ニーズや事業内容に応じて、
メザニンファイナンスやエクイティファイナンス等のうちから、選択・調整することになります。ただし、複数の資金供給形態を組み合わせることも可能です。
(その場合は事業スキーム、資金支援ニーズ、時期、他の資金供給等を総合的に勘案したうえで、組み合わせることが妥当であるかを審査させていただきます。)
投資プロセス
脱炭素化支援機構は、事業リスクや事業者のファイナンスニーズに応じて、優先株・劣後ローン・劣後債等のメザニンファイナンスに加え、
普通株等の出資も実施し、脱炭素事業化投資の活性化を担います。
案件審査
(投資規程第4条)
資料等により審査
- ・事業目的と政策意義の整合性
- ・投資等の規模
- ・実施場所及び時期を含む事業内容
- ・資金回収の方法
- ・事業スキーム・体制
- ・資金供給の形態等
必要に応じ外部専門家を活用
支援決定・契約実行
(投資規程第5・6条)
支援決定
- ・環境大臣及び事業所管大臣の意見を聴取
- ・脱炭素化委員会での支援決定
- ・(原則)対外公表
支援契約・契約実行
- ・詳細な条件を交渉
- ・必要な契約を締結
- ・資金等の供給を実行(資金使途を確認)
案件管理・処分
(投資規程第7・8・9条)
案件管理・モニタリング
-
事業価値や政策的意義の
実現度合いを、
定期的な資料提出及び報告で確認
案件処分
- ・事業者と協議
- ・環境省、事業所管省庁から意見聴取
- ・売却額や売却先、時期などの判断
- ・脱炭素化委員会での処分決定