Q&A

ファイナンスの条件面に関すること

融資・出資の条件が民間のファイナンスよりも優位になるのか
(融資であれば金利が低い、出資であれば配当要求水準が低いなどのメリットがあるのか)。

脱炭素に役立つ事業にリスクマネー供給を行い、民間資金の呼び水となるというミッションも踏まえ、市場水準を超える高い水準の配当や利息を求めることは想定していませんが、いずれにしても、案件ごとに、政策意義、リスク等を考慮して、適切なリターン水準(利息、配当およびキャピタルゲイン)を求めていくことになります。

出資の場合のEXIT、ローン・メザニンの場合の元本償還の条件や時期の方針については具体的に決定しているのか。また、自社株買いを求められるようなことは想定しているのか。

脱炭素化という政策目標の達成状況を第一としつつ、リターンを考慮しながら、EXIT手法、タイミング、売却の場合の事業の売り先(買い手)を、個別に事業者との間で検討・調整していく想定です。
元本償還の時期についても個別具体の案件ごとに検討をさせていただくことになると想定しています。

機構から供給いただく資金の額の上限や下限額はあるのか。

出資等の金額規模について明確に上限値・下限値は設けていないものの、官民ファンドという特性上、多様な事業に投資していく必要があること、並びに、国としてのキャピタルコールのコミットメント枠が初年度200億円であることに鑑みて資金供給の規模については検討していきます。

資金供給を受ける事業者や事業内容の要件に関すること

業種業態、資本金や売上、財務状況の健全性など、投資を受けるための事業者としての条件はあるのか。

資金供給先事業者の資本金や売上には特別制限を設けることは考えていません。
プロジェクトや事業者の審査は、ファイナンススキーム、企業ごとに個別具体で審査させていただきます。
大前提の条件として、反社会勢力と関与していない組織であることなどは確認させていただきます。

CO2削減効果等 の環境へのインパクトの要求水準があるのか。

新機構全体として脱炭素への貢献の度合い(温暖化ガス削減等の効果)についてのKPIを設定する予定であり、審査の際には、KPIや投融資の金額等を踏まえて、個別に削減等の効果を確認させていただきます。

国や自治体の補助金や助成金等を活用している事業でも資金供給をうけることができるのか。

国や自治体の補助金や助成金等を活用していることをもって一律に支援対象から除外することはありません。
他方で、脱炭素化支援機構は、民間資金を呼び込むために(民業補完)、財政投融資から資金供給する必要がある事業を支援することを目的とするものです。
このため、国や自治体の補助金や助成金等と脱炭素化支援機構から供給する資金の併用が生じる場合の脱炭素化支援機構からの資金供給の必要性・可否や詳細な条件などについては、個別の事業ごとに、検討・相談させていただきます。

自己託送制度を活用している再エネ事業は、どのような対応になるのか。

自己託送制度を活用する案件の取扱いについては、令和3年度に自己託送の要件が緩和(資本関係等がない者についても、組合を設立し一定の要件を満たすことで密接な関係を持つものと認められた。)され、自己託送により再エネ賦課金の徴収対象外となる電気を使用する者が増加し、その分他の電気の使用者の負担が増えてしまう観点から、賦課金の負担の在り方について引き続きエネ庁において検討を継続することとしているところです。
このような状況に鑑み、自己託送として新たに認められた組合型の自己託送を利用した案件に対しては、賦課金の負担の在り方の検討結果を待ってから脱炭素化支援機構からの資金供給を行うこととしています。組合型以外の自己託送案件に対しては、当初より、資金供給の対象になります。

海外で行う事業も対象になるのか。

事業の実施場所が海外であっても、我が国の経済社会の発展に貢献する案件は対象になります(排出削減等の効果が日本国内で発生する事業や、我が国企業の先進的な脱炭素技術を活用することで、我が国企業の脱炭素技術の市場における優位性を高めるような事業などを想定しています)。

その他

外部株主が入って経営に介入されることに抵抗があるが、経営にはどの程度関与するのか。
議決権自体は持ち株割合に応じた議決権ということになるが、どのような方針で議決権を行使するのか。

新機構による出資は基本的にはマイノリティ出資を想定しており、持分比率が過半数を超えることはありません。
議決権については、政策性、収益性等は当然勘案しつつも、種類株式の活用も含め、個別に事業者と検討させていただきます。

供給を受けた資金の使途・使い道に制限はあるのか?事業計画通りに実行して目標を達成して収益を上げることができれば、供給を受けた資金を何に使ってもよいのか。

資金の使途は、事業計画(含む収支見通し)においてお示しいただき、供給した資金が事業計画通りに使われているかを確認いたします。
事業計画通りに使用が行われていない場合、資金供給を撤回する等の措置を取ることがありますが、それらにつきましては、原則として、当初の契約時に、個別に事業者と調整させていただきます。

脱炭素化支援機構の株主へのつなぎは、いつ、どのような形でやっていただけるのか。
機構から当社への資金供給のコミット前の段階でも、株主につないでいただけるか。

コミット前の段階も含めて、事業者側と脱炭素化支援機構の株主側の御意向・ニーズが合えば、おつなぎさせていただきます。
脱炭素化支援機構の株主へのつなぎ方の詳細については、機構から事業者への資金供給の形態や、事業計画の内容などに応じて、個別に御相談のうえでの対応となります。